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執筆者の写真MASAHIRO KANEDA

海外サッカー留学をする前に絶対知っておいた方が良いこと

先日スポーツ奨学金制度を利用した日本人のアメリカ大学留学サポート事業をおこなっている代表の方とお話しをさせていただく機会がありました。

アメリカで4年間大学スポーツをしながら学部で専門知識や英語力を身につけ、仮に大学卒業後プロの世界に進めなくても就職先にあまり困ることなく次のステップで社会人として活躍できる大いなる可能性を学生に提供できる素晴らしい取り組みだと思いました。

※余談ですが、私の母国でもあるアメリカは大学スポーツがとても盛んな国です。全米にある約2,300ある大学の内1,200校が参加しているNCAA (全米大学体育協会)の年間収益は約1,000億ともいわれており、2019年のJリーグ45クラブの年間収益1,154億とほぼ同じ金額となります。


アメリカ大学留学についてスタートしましたが、今回私がこのブログを通してお伝えしたいのはアメリカ大学へのスポーツ留学の素晴らしさについてではありません。私が伝えたいのはスポーツで海外留学、特にプロ選手を目指しての長期留学を検討するのであれば「覚悟」をもってほしいということです。では「覚悟」とはなんなのか? それは「競技生活を終えたあとの人生を後悔しない覚悟」です。競技生活を終えた後は必ずセカンドキャリアが始まります。その時はほとんどの人がどこかしらかの企業で働くことになると思います。当然ですが、海外でプロ選手を目指すということは日本で同期が進学や就職して勉強や仕事に勤しんでいる間に競技生活に時間を費やすことになります。海外での競技生活の後、日本に戻ってきて社会人として活躍することを選択するのであれば海外留学期間中に「失われた時間」の代償は特に最初は大きい場合があります。


私個人の話をしたいと思います。私は24歳で新卒で就職した会社を辞め、プロサッカー選手を目指してドイツに渡り約4年間ドイツで競技生活を送りました。

日本に戻ってきたのは29歳で、就職活動を経て企業に就職した数カ月後には30歳になっていました。同期は大卒なら社会人8年目で当然中には役職についていて部下を管理するポジションや起業して自分で会社を経営している人たちもたくさんいました。名刺の渡し方や見積書と注文書の違いがわからないほぼ30歳の新人とは同い年なのに実力が全く違います。

私は一緒に働いていた方々には本当に迷惑をかけまくりました。運が悪いことに私と同時期に入社した同期は営業としてすでに前職で結果をだしてきた優秀な人でした。年がほぼ同じにも関わらず同じ時期に採用した営業2名の内1名はどんどん受注をとる傍らもう1名は基礎的なことすら全くわかっていないポンコツ。。。正直3年目くらいまではなかなか社内からの圧が強かった記憶があります。落ち込むことや辞めたいとおもうことは多々ありましたが、私は一度もドイツにサッカー留学にいかないでずっと日本にいればよかったと後悔したことはありませんでしたし、今もありません。それは自分でドイツにいくと決めた時にプロになれなくても後悔するのだけはやめようと決めていったからです。


当たり前のことを書いているなと思われるかもしれませんし、私自身も当たり前のこと書いていると思います。ただドイツでサッカーを一緒にしていた仲間や知り合いと留学後に日本で会って話をしていると意外に留学したこと自体への後悔をしている人が多いことに気がつきました。それは本人が思っていた以上にチャレンジがうまくいかなかったり、留学後に帰国して就職活動で苦戦したことが原因として挙げられます。おそらく彼らは自分が成功するイメージを強くもっていたのでしょうし、セカンドキャリアで苦労すると思っていなかったのかもしれません。ただ現実はそんなに甘くはありません。話す言語もサッカーのスタイルも違い、第一に日本よりも遥かに格上のサッカー大国ドイツにJリーガーとしてではなく、いちサッカー留学生がチャレンジするということは成功するよりも失敗する確率が全然高いことだけは絶対に理解しておかないといけないと思います。逆にいえばそれだけ理解ができていれば少なくともチャレンジそのものに対する後悔の気持ちは湧かず、次の挑戦にうまく切り替えることができます。


最近ドイツにサッカー留学したいという高校生や大学生とよく話す機会があります。彼らからはネットやSNSを使って現地の情報をよくリサーチしており、その上で色々私の実体験に基づく情報を聞いてきます。その姿勢は素晴らしいとおもいますし、私がドイツにいくときは彼らほどリサーチができてなかったと今振り返ると思います。彼らがドイツで成功する可能性を少しでも上げるために色々なアドバイスをしているつもりですが、話をしている中で

「覚悟」が無いと思ったら迷うことなく留学はやめておいた方が良いとアドバイスするようにしています。長い目でみたらその方が本人のためになると本気で思っていますし、日本でも高いレベルでサッカーが出来る環境はあります。ではどんな場面で私はその選手に「覚悟」足りないと思うのか?

それは「自分はいきたいのだが周り(先生、親、チームメイト等)に通用しないから辞めておけといわれたので迷っています」 という内容の趣旨が本人の口からでてきたときです。相談にくる選手のプレーをみたことがないので実際には何ともいえませんが、おそらく「辞めておけ」という周りの意見は正しいのでしょう。先ほども書きましたが、ドイツという国は世界でも有数のサッカー大国で日本よりも全然サッカーが強いのです。

その選手の目標とするリーグにもよりますが、ドイツでプロリーグ(3部以上)を目指すのであれば少なくともJリーガーやJリーグのスカウトに引っ掛かるレベルの選手でなければ通用しない可能性の方が遥かに高いです。周りが辞めろというのはほとんどの場合は善意であるとおもいますし、冷静に考えればその通りだと思います。何故日本でJリーガーになれないのにドイツでブンデスリーガーになれると思っているのか?と思われるでしょう。」



でも、それでは納得できないでしょう?

日本では評価されていなかった部分がドイツなら評価されるかもしれないでしょう? 


だから、 


”数パーセントしかない可能性にかけて“ 

”絶対チャレンジしたことに対して後悔しないと自分に言い聞かせて”

”周りの意見をぶっちぎって” 


行くんです。

※家族の金銭面のサポートが必要な人はぶっちぎらないでしっかりと家族会議してください


語学の勉強をして、現地のチームメイトとコミュニケーションをとって仲良くなり、働き口があればアルバイトをして頑張ってください。留学後、日本で就職した場合同期には日本で働く社会人としてのスキルや経験は一時的にはかならず劣りますが留学で得た経験やスキルはかならずどこかで活きてくると思いますし、私自身も今もそう信じています。


ただ若い選手が少しでもチャレンジしやすい環境を造ることはとても大切だと思いますし、私自身もそこに関わっていけるようになりたいと強く想っています。アメリカ大学編入もオプションに含めてドイツでのサッカー留学チャレンジを少しでもしやすくできる環境を選手に提供できるように。


若い選手は「覚悟」を、大人は「環境づくり」を。












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